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No.3 サプリメントについて

2015.08.06

サプリメントってなに?

サプリメントとはビタミン、ミネラルなどの栄養素が配合された食品を指します。
またハーブ、アミノ酸、濃縮されたエキス成分などを含む場合もあり、厳密な定義がないため健康食品や機能性食品との区別が明確でないことも少なくありません。

医 薬 品 食  品
医 薬 品 保険機能食品 一般食品
医 薬 品
(医薬部外品を含む)
特定保健用食品 栄養機能食品 その他の食品

法律上の分類は上記のようになり、このなかでサプリメントは明確な位置付けはされておらず、健康食品として一般食品の中に広く分布しているといえます。
保険機能食品には、その摂取によって特定の保健の目的が期待できる特定保健用食品と、高齢化や食生活の乱れにより通常の食生活を行うことが難しく、1日に必要な栄養成分を取れない場合に、その補給・補完のために利用する栄養機能食品があります。
この保健機能食品を除いたものをいわゆる健康食品といい、サプリメントはここに含まれると理解できます。

サプリメントの効果

近年、生活習慣病の有病率の増加や食生活の乱れなどが原因となって国民の健康に対する関心は高まり、普段の食事で不足しがちな栄養成分を補完するだけでなく、積極的に「健康を保つ、健康を作る」という役割をサプリメントに求める人が増えつつあります。
また、薬局をはじめとするドラッグストア、通信販売、ネット販売で多種多様なサプリメントが販売されています。
そのような中で本当に必要なサプリメントや安全なサプリメントを見極めていく必要があります。
サプリメントや健康食品は食品であることを明記すれば、錠剤やカプセルなど医薬品のような形態でも販売できるようになりました。
そのため消費者の中には医薬品のような効果を期待して摂取している人も少なくないようですが、サプリメントは医薬品ではなくあくまでも食品であることを理解しながら使用する必要があります。
またサプリメントの効果にはかなり個人差があると言われています。
サプリメントとして幅広く服用されているビタミン類の血中濃度は食事の影響を受けることが多く、同じようにビタミン剤のサプリメントを服用していても、食生活が違えば効果にも違いが現れます。
ただし、サプリメントとしてのビタミン類の投与は投与量、投与間隔など定まった方法は確立しておらず、多くのマルチビタミン・ミネラルサプリメントは投与研究で明らかな効果を立証できなかったとされています。

サプリメントの安全性

医薬品と食品のサプリメントでは同じ成分を含んでいても明らかに異なります。
もっとも大きな違いは製品の品質で、医薬品は有効性や安全性が確認され医薬品としての承認を受けますが、サプリメントについては法的な規制がなく、製品の品質はさまざまといわれています。
ビタミンやミネラルについては分析方法が確立しているため、製品の品質は信頼できるものと思われますが、健康にいいとされている成分を含んでいるサプリメントについては、その有効成分が不明確なものや、中には有害成分を含んでいるものもあります。
サプリメントが原因の健康被害の報告も少なくないのが現状です。

医薬品とサプリメントの相互作用

病気の治療のために医薬品を服用している人の中には、サプリメントも同時に服用されている人もいらっしゃることでしょう。サプリメントはどんな薬と一緒に服用しても大丈夫かというと、そうとは限りません。サプリメントの中には薬の効果を減弱させてしまうものもあれば、血中濃度を高くするものもありますので、十分な注意が必要です。
吸収過程における医薬品とサプリメントの相互作用を一覧表にしました。

医薬品 サプリメント 相互作用
ジキタリス製剤 難消化性成分(食物繊維、小麦ふすま、
サイリウム種皮・種子オリゴ糖類、
難消化性デキストリン)
薬品の吸収が妨げられ、作用の発現が遅れたり、作用の減弱の可能性がある。
脂溶性ビタミン
ミネラル、葉酸
脂溶性の高い薬剤、
ビタミン、グリセオフルビン、イトラコナゾール
キトサン、植物ステロール 脂溶性の高い医薬品の吸収が遅れたり、低用量ピルの成分が十分に吸収されないことがある。
低容量ピル
抗菌薬 大豆イソフラボン 抗菌薬等の服用により腸内細菌が抑制されると、大豆イソフラボンの吸収量が減少することがある。
プロトンポンプ阻害薬、
ブロッカー
ビタミンB12 ビタミンB12の吸収には胃酸の存在が不可欠であり、胃酸の分泌が抑えられると十分に吸収されなくなることがある。

サプリメントの上手な付き合い方
サプリメントの主な適応は、未病すなわち病気とはいえないけれど、健康でもない状態が一般的です。また最近では健康志向でサプリメントを摂取している人も多いと思われます。
サプリメントは全ての症状に有効というわけではありません。サプリメントに頼りすぎるとかえって健康を損ねたり、病気を見過ごす結果になってしまうこともあります。また同じサプリメントでも効果のでかたは個人差があるので、「あう」とか「あわない」を自分で判断するのも重要です。
サプリメントは、だいたい3週間を目安に症状の改善がみられたかどうかを判断しましょう。
長期間服用しても症状が改善しなければ、専門医に相談したほうが良いかもしれません。
健康増進の目的で服用しているのであれば、長期間服用するのもよいかもしれませんが、何らかの症状を改善するために服用しているのであれば、効果がなければ服用を中止して受診することをお勧めします。
治療薬とサプリメントを服用しているのであれば、必ずサプリメント服用のことを主治医に報告してください。
健康増進の目的でサプリメントを服用中であっても、医師または薬剤師に相談してください。
自分に適したサプリメントを見つけることが、サプリメント服用においては一番重要といえるでしょう。

健康食品のエビデンスに基づいた効果や有害事象を検索できます
「健康食品」の安全性・有効性情報   http://hfnet.nih.go.jp/

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