●事業計画

令和5年度 一般社団法人和歌山県薬剤師会事業計画

新型コロナパンデミックは、発生以来3年経てもまだ猛威を振るっています。
世界中でゼロコロナ政策が見直され、コロナとの共存ウイズコロナ政策に移行され、人の動きもコロナ以前に戻りつつあり、医療ひっ迫を防ぐための自宅・宿泊療養が進み、数種の抗コロナウイルス薬も販売されました。
一方で、ワクチン接種割合いが当初ほど伸びず、最も気を配っているはずの病院、高齢者施設、学校等でのクラスター発生が相次ぎ高齢者を中心に死亡者も少なくありません。
さらに、今シーズンは3シーズンぶりにインフルエンザの流行もあり、他の感染症への備えも必要になっています。
また、ジェネリック医薬品を中心とした医薬品の供給不安は依然続いており、改善する見込みもなく深刻になる一方です。
薬剤師・薬局は国民の負託にこたえるため、これらの事象に懸命に取り組み、新たなコロナ対策には薬剤師の関与が欠かせないところまで来ていますし、医薬品供給不安においては薬剤師と卸さんの努力で大騒ぎならず何とか均衡を保っている状態だと判断しています。
このような厳しい状況下でも、新しい薬機法に沿った国の政策は着々と進められ、昨年4月からのリフィル処方箋、昨年末からの薬局でのコロナ・インフルエンザ抗原検査キット販売開始、本年1月からの電子処方箋の開始と、少し前には想像も出来なかった画期的な施策が実現され、薬剤師・薬局業務は新たな段階に入ったと言えます。
私たちは、この新しい段階を議論するのではなく実行していかなければなりません。特に来年は調剤・介護報酬の同時改定、和歌山県医療計画の改定等が控えており、本年はその準備の非常に大事な年となります。
何時如何なる場面や状況でも、当会会員薬剤師は、能力を高め、責任ある業務をきちんとこなし、医療資源としての薬剤師・薬局の役割はもちろんのこと、社会資源・地域資源としての薬剤師・薬局の立場から様々な場面でその能力を発揮し、地域住民に理解され、信頼され、その地域にとって無くてはならない存在にならなくてはなりません。
 
また、本年9月17,18日両日和歌山市を中心に日本薬剤師会最大の行事である「第56回日本薬剤師会学術大会」が開催されます。小さな県でもレベルの高いこれだけの大会が出来ることを全国に発信し、和歌山をアピールできる絶好のチャンスですので、必ず成功させなければなりません。

これらを実現するために、今年度

新型コロナウイルス感染拡大を防止する事業
地域包括ケアシステムを始めとする、医療・介護に貢献する薬剤師を支援する事業
社会資源・地域資源として活躍する薬剤師・薬局への支援事業
和歌山県で勉強し働こうと希望する薬剤師・薬学生を支援する事業
これらの事業に従事する薬剤師の資質をより一層高める事業
やがて来る南海トラフ巨大地震等の災害に備える事業
第56回日本薬剤師会学術大会の準備事業
上記各事業を達成するため、多方面との連携および広報する事業

この8事業を公益性の高い事業として実施します。
 この8事業を推進するために、収益事業、共益事業も積極的に展開していきます。また、会員相互の交流や福利厚生事業も積極的に行います。

<その1> 公益事業(実施事業)

Ⅰ.医療に貢献する薬剤師を応援する事業

①医薬分業推進事業

薬剤師は、その任務を薬剤師法第1条において、調剤・医薬品の供給その他薬事衛生を司る事によって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する旨規定されている。県民が、医療機関から院外処方箋の発行を受け、薬剤師法第1条に基づきかかりつけ薬剤師から副作用や重複投薬のチェック、投薬内容の説明や服薬指導等を受ける事によって、より安全で高度で安価な医療を受ける事が出来る医薬分業を推進するために以下のような事業を行う。

(1) 医薬分業のメリット・薬剤師職能のPR

目標:医薬分業・薬剤師職能について、市民の理解を得る。
<具体的な活動案>
・表題の2点をPRするリーフレットを作成。各会員薬局にて配布し、各地域での健康まつりイベントで配布する等、啓発のために活用して頂く。

(2) 残薬解消への取り組み

目標:医薬分業の経済的メリット及び残薬解消における患者側へのメリットをPRする。
<具体的な活動案>
・県下全薬局で残薬解消の啓発を行うため、ポスター・リーフレットを少量ずつ無料配布。

(3) 「薬と健康相談会」開催

目標:地域の皆様への貢献
<具体的な活動案>
・PRのためのポスターとチラシを作成し、「薬と健康の週間」に合わせ、各薬局での健康相談会を開催する。
・コロナ禍でも気軽に相談して頂けるよう、ネットやビデオ通話の活用も検討していく。

(4) 疑義照会調査及び集計

目標:患者への貢献度を調査し、医薬分業のメリットをPRする。
<具体的な活動案>
・一定の調査期間を設け、疑義照会回数及び処方内容変更の有無を調査する。

(5) 県歯科医師会歯科医院緊急用医薬品分譲事業(総務委員会と連携)

目標:歯科治療での緊急時に使用する医薬品の備蓄及び分譲
<具体的な活動案>
・歯科医師会の求めに応じ、緊急用医薬品をすぐに分譲できる体制を整える。

②医療保険、介護保険等の研究事業

会員を含む地域薬剤師が正しい知識で保険調剤を行い、国の医療政策の実現に貢献するとともに、県民に対して法律に基づいた正しい医療提供を行えるよう、研修会や広報等を行う。また、国民健康保険連合会、社会保険支払基金に審査委員を派遣しレセプト審査を行うと共に、近畿厚生局が行う保険薬局への指導・監査に立会、県民が正しい保険医療を受ける一助となす事業

(1) 新たな調剤報酬体制への対応 ・調剤報酬改定の対応
(2) 在宅薬剤管理指導業務推進への対応 ・かかりつけ薬剤師の促進
(3) 後発医薬品使用の更なる促進への対応
(4) 近畿厚生局指導への協力及び対応 ・集団指導に係るeラーニングの対応
(5) 国保連合会、基金への協力及び対応
(6) 円滑な調剤業務(請求)のための情報提供

③在宅医療推進事業

(1) 地域包括ケアシステムに貢献する薬剤師の支援

・行政と連携し、薬剤師と他職種との協議会を開催し、薬に対する問題を「お薬相談シート」等を活用して安全な薬物療法を提案する
・小児の在宅医療に対応可能な薬剤師の育成
・地域ケア個別会議に参加する薬剤師の資質向上
・シームレスな薬物医療を提供するために入退院時の患者情報の共有システムの構築

(2) 在宅医療にかかわる薬剤師のスキルアップの研修会開催
(3) 無菌調製研修会の継続(地域の基幹病院との連携強化)

・各地域薬剤師会での開催のサポート
・携帯型クリーンベンチの活用・ポンプ操作・輸液等の基礎知識の習得

(4) 学会発表のサポート
(5) 医療用麻薬適正使用

・麻薬譲渡グループ活用による医療用麻薬の適正使用

(6) 「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」認定サポート

④薬剤事故防止事業

事件・時間及び幸いにも事故にならずに済んだヒヤリハット事例や、またそれらを防止するアイデア・工夫を収集し、会員へ情報提供する。県民が安全で安心できる医療を受けられる環境づくりや薬局における安全管理対策の整備の支援を行う事業。

(1) 調剤事故等の会員への周知

・調剤事故等の事例を、会員に向けて定期的に情報提供。
・日本薬剤師会からおりてくる情報を分かりやすくまとめて情報提供。
上記内容や役に立つ情報をはまゆうに掲載する。

(2) 調剤事故防止マニュアルモデルの作成
(3) 患者対象の調剤エラーに関するアンケートの実施

Ⅱ.地域に貢献する薬剤師を応援する事業

⑤地域保健推進事業

薬局に求められている、健康、医療・介護等の「相談窓口」、「薬局ファーストアクセス」機能を確立する。地域包括ケアシステムにある「自立生活の支援」「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで」これを実現するために、今求められていることを再確認し、未だ充分とは言えない連携や地域格差、人手不足、低い認知度といった地域包括ケアの課題について検討し、薬局・薬剤師の役割を明確にする。

(1) 医薬品や介護用品の供給体制の確立
(2) 多職種、地域行政との連携と情報の共有
(3) 高齢者および認知症の人とその家族を支え、共生できる町づくり
(4) 各職種の専門性と役割を地域住民に説明する

⑥セルフメディケーション支援事業

県民の主体的な健康の保持増進を積極的に支援する事業。薬局を地域に密着した健康情報の拠点とし、一般用医薬品の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等の機能を強化する。
・健康サポート薬局取得の推進
・一般用医薬品等の適正使用の推進
・医薬品販売の法令遵守
・セルフメディケーション税制への対応

⑦学校薬剤師への支援事業

和歌山県内の幼・小・中・高校で活躍する学校薬剤師が行う「学校環境衛生検査」「学校給食法に則った検査」「薬物乱用防止教室」「おくすり教室」などへの支援を行い、園児・児童・生徒が正しい薬の知識を持つと共に快適な学校環境のもとで勉学に励むことができるような環境整備の一助をなす事業。

(1) 学校保健活動の普及、充実

・全学校保健調査の実施
・医師会、歯科医師会等学校保健関係団体との連携強化
・学校薬剤師報酬額の適正化
・薬の適正使用など健康教育の推進

(2) 薬物乱用防止活動の支援

・教育委員会・薬務課・警察関係等との連携を図り、学校薬剤師の薬物乱用防止啓発活動を支援する

(3) 標準学校薬剤師モデルの確立

・学校における環境衛生検査項目の統一化
・新人学校薬剤師等への講習
・学校薬剤師のスキルアップを図るための研修、講習会の開催

(4) 講師の育成

・各地域学校薬剤師会における、薬物乱用防止・薬の正しい使い方等の講師の育成
・講師に対する資料等の支援

⑧災害対策事業

やがて来る南海トラフ大地震での県内被災地での医療体制維持のために薬剤師・薬局が果たすべき責任や役割を検討し、被災地への支援体制を構築する。
具体的には、発災直後から県薬及び各地域薬剤師会に災害対策本部を発足させ、被害状況や安否確認等の情報交換を行い、発災後72時間以内に行政等と相談の上被害甚大な県内被災地に全国からの支援薬剤師班を派遣し、被災地での業務が円滑に出来るよう準備をしておく。

(1) 各地での災害対策本部設置、WEB会議開催、Wowtalk等を活用した連絡網を完成させ、停電に備えた電源確保等を進め、どのような状況でも連絡や情報提供が速やかに可能となるようシステムを整え訓練する。
(2) 派遣した支援薬剤師班が円滑に業務を果たせるよう、災害薬事リーダーの育成に努めると共にPDASSや発注システムを始めとするツール類を充実させ訓練する。
(3) 医療関係団体や医療機関との災害時の連絡や連携を模索する。
(4) モバイルファーマシーの維持・整備
以上の4項目を具体的計画として実行していく。

⑨広報・情報事業

出来るだけ多くの薬剤師業務に関わる情報を収集し、その情報を各会員に適正に提供する。また、薬局の価値向上のための薬機法や関連法規を注視し、認定薬局等の認定取得支援、評価の向上に努める。加えて、オンライン服薬指導や電子処方箋、オンライン資格確認等のICTの活用を通じて、薬剤師業務の資質向上や医療安全の向上等を図れるよう理解を深める業務。また、県民が薬や環境衛生の正しい知識を持って安心で安全な薬物療法等を受けられるように、各方面に情報提供するとともに、薬剤師による医療提供や公衆衛生への貢献業務への理解を深める事業。
ア.広報事業

(1) 対内的な広報の充実

・県薬剤師会会員の皆様に必要な情報提供を、適切に速やかに行う。
・日本薬剤師会や県薬剤師会の動き、また県薬各委員会の積極的な活動を月  刊会報「はまゆう」、「きのくにエクスプレス」等に掲載するために各委員  会の協力を得て充実させていく。特に今期は学術的な情報の充実を図る。
・情報委員会の協力のもとデジタル化への推進。

(2) 対外的な広報の充実

・「薬局新聞」として健康衛生に関する記事を作成し、地域住民の皆様に健康情報を発信する。「薬局新聞」配布薬局数を増やしていく。
・各委員会、各地域薬剤師会の協力を得て国民の皆様や関係団体向けの広報活動として、水質検査事業、薬物乱用、禁煙、セルフメディケーション等、薬剤師会、会員薬剤師等が積極的に地域において行っている事業、活動等している状況を広く知っていただけるようなPR方法を考える。

(3) 広報にかかわるスポンサー企業の確保

イ.情報事業

(4) ホームページによる会員への情報提供
(5) 薬事情報センターの運営
(6) 同報FAXからメール配信への移行
(7) 医薬品等情報提供の拡充・推進
(8) 緊急避妊薬に係る診療の提供体制整備に関する取り組み
(9) 研修会web中継の実施(研修委員会・青年部会連携)
(10) 医薬品リスク管理計画(RMP)を念頭に置いた薬剤イベントモニタリング(DEM)事業の実施
(11) 関連法で定められる規定を遵守した適切な薬局業務の周知
(12) 「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の整備に向けて行政との連携

Ⅲ.薬剤師の質を高める事業

⑩薬剤師の卒後教育事業

会員および会員以外の地域薬剤師の教養や知識・技能を高め、県民により高度で安全で安心な医療をすべての薬剤師から同じようなレベルで提供できるようにするため、会員及び会員以外の地域薬剤師を対象に、各種研修会を実施するとともに、会員に対してはさらに日本薬剤師会生涯学習支援システムを円滑に活用した様々な研修会を重ねて実施する。

(1) 和歌山県薬剤師生涯研修制度の運営
(2) JPALSの普及および推進
(3) 県薬専門部会および地域薬剤師会が運営する研修会の支援
(4) 研修認定薬剤師制度の充実
(5) 専門疾患領域継続研修受講支援
(6) 他職種との連携を深める研修会の実施
(7) WEB研修を利用した研修会システムのさらなる発展
(8) より良いWEB研修のための配信設備・機材の補充及び充実
(9) 日薬学術大会運営サポート及び参加者への充実した研修内容の企画・提案

⑪学術推進事業

会員及び会員以外の県内薬剤師が学術的に資質向上が図れる情報提供に努める

(1) はまゆう等を通じて定期的に学術情報を発信していく
(2) 研修会開催における学術支援の提供を図る
(3) エビデンスが得られる情報収集・提供を通じて、薬剤師の職能が高められる基盤を構築する
(4) 学術大会発表に対し、倫理に関する相談、倫理委員会開催についての支援を行う
(5) 日本医療学会地域薬学ケア専門薬剤師制度にかかる研修施設(基幹施設病院)と研修者のマッチングのための委員会開催

⑫和歌山県薬剤師会員の専門的知識向上を支援するための事業

薬局機能分化や健康サポート薬局、かかりつけ薬剤師等、薬剤師の地域における活躍が期待されている。これらの期待に応えるため更なる専門的知識、実用的知識が必要となるため、和歌山県薬剤師会会員がその知識を身につけるための支援事業を推進する。

(1) 製薬企業と薬剤師会共催の研修会開催
(2) 学術大会発表を支援するための研修会開催
(3) 会員のアンケート調査に基づいた研修会の実施

⑬薬学実習生受入事業

薬学部5年生の必須科目である実務実習を円滑に実施するために、薬局実務実習の内容を充実し、病院施設や和歌山県立医科大学薬学部との連携をスムーズに行えるよう整備を行い、実習生が将来優秀な薬剤師となるよう指導するとともに県内への就業を推進する事業。

(1) 薬学生実務実習受入体制の整備と強化

・県内薬局に実務実習実施への参加を要請
・認定実務実習指導薬剤師養成のためのWSへの参加者およびタスクの人選
・認定実務実習指導薬剤師養成および更新のためのビデオ講習会開催

(2) 実務実習実施のための整備と強化

・認定実務実習指導薬剤師のスキルアップの支援
・改訂コアカリキュラムによる実習内容と評価方法の周知徹底
・実習支援のための集合研修の実施と検証
・近畿地区での実習施設グループ化のための協議会開催
・令和6年度より適用される薬学教育モデルコアカリキュラムへの準備対応

(3) 大学及び関係団体との連携

・近畿地区調整機構会議への参加、学生受入連絡会の開催(近畿地区内の府県薬剤師会、病院薬剤師会、大学との連携)
・和歌山県立医科大学薬学部との共同による研修会開催や実務実習に対する意識アンケートの実施、薬学部1年次生の薬局早期体験学習実施の整備(和歌山県立医科大学との連携)
・薬学生薬局実務実習受入整備推進委員会の開催(県内地域薬剤師会との連携)

(4) 薬剤師会活動への貢献

・県内就職セミナーの広報、実習修了生同窓会の開催(実習生の県内就業をサポート)
・進学セミナー開催へのサポート

⑭若手薬剤師育成事業

次世代の和歌山県の医療や公衆衛生の一翼を担うべき若手薬剤師が専門知識だけに偏らず、幅広い教養や倫理感を身につけてバランスの取れた社会人・薬剤師として県民に貢献できるよう育成する事業。会員同士の繋がりを広め、各支部・薬剤師の連携を強化する。また、そこから会員増へとつなげていく事業。災害等の非常時には、医療救護所や避難所等の被災現場で薬剤師が組織的に活動できるためのリーダー的存在として行動出来るよう教育する事業。

(1) スキルアップセミナーの企画・開催
(2) 他府県薬スキルアップセミナーへの参加
(3) 会員相互の交流を図る事業
(4) 会員増を目標とした事業の企画
(5) 各部会・委員会と連携した事業の企画・協力
(6) 各種補助金事業への協力

⑮女性薬剤師支援事業

薬剤師の半数を占める女性薬剤師が、家庭と職場を両立させ、出産・育児・介護等で薬剤師としての業務に従事しない期間があっても、安心して職場復帰が出来るよう、知識や技術レベルの維持・向上や職場環境の整備を支援していく事業。女性薬剤師部会では、女性の目線で、日常業務に役立てるテーマを中心に実技を取り入れた研修会を開催していく。今後もこの研修会を中心に薬剤師が円滑に、県民の健康で衛生的な生活の確保・向上に寄与することが出来るようにする。

⑯薬剤師就業促進事業

貴重な人材である未就業薬剤師が薬剤師バンクに登録し、希望する地域薬局等に就職を斡旋することにより薬剤師を確保し、薬剤師が県民の健康を支援する体制を構築する。また、薬科大学等で実施している就職活動にも積極的に参加し、県内への就職を希望する学生のために県内薬局の情報提供を行い、県内就職率の増加を図るための事業。
・県内で実習を行った卒後学生の県内定着推進を図るため実習終了生の同窓会を開催、就職動向の調査
・県内の薬学生を増やすため薬学部進学セミナーを開催
・復職支援事業(現在休止中)

⑰「薬物乱用防止・禁煙・アンチドーピング推進」対策事業

今年度は、すべての活動において様々なアンケート調査を実施し、データを蓄積することで、何が足りないのか、何を求められているのかなど、何をすべきかをデータを基に考えていきたい。

(1) 薬物乱用防止

1.行政機関等と連携し、「ダメ、ゼッタイ!」運動の継続、発展
・街頭での啓発活動の実施
・市民公開講座の開催(Webで作成・開催)
・スポーツ選手向け講習会
・児童のスマホ依存の危機性を伝える児童保護者向けWeb講座作成
2.学校薬剤師部会と連携し、児童・生徒向けの学校薬剤師の活動を支援
・アイデアやアイテムを各方面に提供

(2) 禁煙

1.認定禁煙指導薬剤師の育成・スキルアップ
2.学薬と連携し子供向けの啓発活動の拡充
・子供たちが目で見て分かるような科学実験や映像を提供
・子供向けWeb講座作成
3.学校関係者向けの禁煙指導、サポート
・子供たちへの啓発が進んできている中、家族や教師、バスの運転手など子供たちを取り巻く大人たちの喫煙が、禁煙への説得力を欠く要因となっている。その方々に、一緒になって禁煙に取り組んでいただき、その姿を子供たちに見てもらう。

(3) アンチ・ドーピング活動

1.専属スポーツファーマシスト制度の充実
 ・補助金(講演に対しての)の有効利用
 ・専属スポーツファーマシストのアンチ・ドーピング保険補助の継続
2.アンチ・ドーピングに関するWeb公開講座作成
3.県内オリンピック選手へのサポート強化
4.スポーツファーマシストの認知度のアップ
5.県内スポーツファーマシストの把握と名簿作成
6.スポーツファーマシストスキルアップセミナー開催(薬剤師以外の関係者や県外薬剤師も招待)

⑱デジタル化推進事業

オンライン服薬指導や電子処方箋、オンライン資格確認等急速に進歩する各種ICTの活用について研究し、薬剤師業務の資質向上や医療安全の向上等を図れるよう理解を深める事業を実施する。

(1) 電子版お薬手帳の活用促進:現行のきのくに電子お薬手帳の活用を促進するとともに、電子処方箋との連携等についても検討していく
(2) 電子処方箋について情報提供:電子処方箋の応需体制を構築するために必要な情報を収集し各会員に適正に提供する。
(3) 薬剤師資格証(HPKI)取得推進:地域薬剤師会協力のもと取得促進・円滑な資格証の授受を行う。
(4) オンライン服薬指導等薬局のデジタル化推進:各種薬局DXについて適正に対応できるよう支援する。
(5) PC講習会の開催:基礎的なアプリケーションの利用方法等について理解を深める講習会を実施する。

Ⅳ.各事業効果や実績を多方面に広く広報する事業

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの事業の成果を、学術・情報・広報を通じ、当会ホームページや各種会 議・会合、出版物、論文・学会発表等で広報する。

<その2>収益事業

Ⅴ.検査センター事業

飲料水・排水・井戸水・お風呂等の各種水質検査、温泉水検査、土壌検査等を通じて、県民の衛生的で安全な生活に貢献する。

Ⅵ.会営薬局事業

おくすりセンター薬局を運営し、県民の安心・安全な薬物療法に貢献するとともに、会員への医薬品分譲や最新調剤技術の提供等を行う。

Ⅶ.賃貸・物品販売事業

院外処方箋FAX送信コーナーの運営、お薬手帳や各種帳簿類の販売、薬剤師会館会議室の賃貸等を行い、会員・県民の便宜を図る。

上記3事業の収益力を高め、当会の財政的基盤をより強固なものにする。

<その3> 共益事業

Ⅷ.共益事業

①会員相互の懇親・交流を図り、冠婚葬祭のお知らせや表彰記念等のお世話を行う。

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